■サンゴとは?
サンゴは植物のように思われがちですが、実はイソギンチャクやクラゲと同じ刺胞動物と呼ばれる動物です。
ポリプと呼ばれる本体と石灰質の骨格の部分でつくられていて、鮮やかに見えているのは体内に住んでいる藻の色になります。藻を住まわせて光合成をすることでエネルギーを得ています。
動物なので口があり、摂食や排泄、産卵もします。枝状やテーブル状、塊状に成長し、サンゴが広がり作られる地形をサンゴ礁と呼び、魚など生物の生活の場所になっています。
■サンゴの役割
世界の海に生息する約50万種の動物のうち4分の1はサンゴ礁域に暮らしているといわれています。
サンゴ礁は「海の熱帯林」、「海のオアシス」と呼ばれ、さまざまな生き物の住み家や産卵場所になっています。そして動物でありながら、光合成をして植物と同じように二酸化炭素を吸収し、酸素をつくりだしているのもあり、海の豊かな生態系はサンゴがベースになってつくられているといえます。
また、「バリアリーフ」とも呼ばれる防波堤としての役割もあり、強い海流や高波を和らげ、海岸を守っています。私たちが住むこの宮古島もサンゴ礁に囲まれ、サンゴに守られています。
■サンゴの危機
サンゴはとてもデリケートな生き物で、海水温が2℃高くなるだけでサンゴの中の藻が死滅し、色が抜け白くなります。これをサンゴの「白化現象」といい、近年問題になっています。
日本近海では、ここ100年で海水温の平均が1℃以上高くなっており、サンゴの生息に適した水温の25℃~27℃を超えつつあります。白化が進むと、サンゴを住み家にしている海の生き物の生息が難しくなります。
世界、そして日本各地でサンゴの研究や、保護活動が行われている中、あまりサンゴについて詳しく知らない方も多いかと思いますが、サンゴは海の環境を守るだけでなく、私たちの豊かな食生活も守ってくれています。
日常でエコを意識するだけでも海の豊かさとサンゴを守れるかもしれません。そして、海で泳ぐ時は自分自身の身体とサンゴを守るためにも、サンゴには触れないようにしましょう。