2019年5月号掲載「オバーの豆腐で島おこし」

2019/04/26



まごとうふ代表
■下地 直弥さん・昌恵さん夫妻


第4回全国豆腐品評会 
最優秀賞農林水産大臣賞受賞「濃厚おぼろ豆腐」

日本一の豆腐「濃厚おぼろ豆腐」

皆さんは昨年日本一に輝いた豆腐が宮古島にあることをご存知ですか?
今回は全国豆腐品評会で最優秀賞、農林水産大臣賞に選ばれた「濃厚おぼろ豆腐」の製造者、「まごとうふ」の下地さんを取材して来ました。

■「まごとうふ」を始めたきっかけは?
高校を卒業後、島を出て東京で就職していたんですが、何か物づくりをしたいといつも考えていました。僕のオバーは豆腐を市場で売っていて、春オバーの豆腐として昔から地元で親しまれていました。小さい頃から豆腐を作るオバーの側にいて、市場に豆腐を売りに行くオバーのリヤカーに乗って市場に遊びに行く、そんな毎日でした。その時は豆腐作りに興味があったわけでは無いんですが、豆腐のにおいがするオバーの働く姿はずっと記憶にありました。あの豆腐が無くなるかも知れないと思うと寂しくなり、僕が継ごうと決心しました。決心したら行動は早かったです。島に戻り、約五年間オバーのもとで修行し、両親が経営している春おばぁ食堂で使われる豆腐を作ったりしていましたが、三年前に「まごとうふ」として独立しました。

■豆腐作りの苦労は?
島豆腐は昔ながらの春オバーの豆腐の作り方を受け継いだんですが、オバーの豆腐作りは温度計とか濃度計、量りなどを一切使わず、感覚だけで何十年も作っていたので、僕があれこれ質問しても、口では説明してもらえず、作業を見て後でいろいろ検証したりして、技術を会得するのに時間が掛かりました。春オバーの豆腐だけじゃなく、若い人達にもっと豆腐に慣れ親しんでもらいたくて、柔らかくて甘味のある豆腐も作りたいと思い、おぼろ豆腐作りに挑戦したんですが、宮古島にはおぼろ豆腐を作っている人がおらず、内地の豆腐製造者を訪ねアドバイスをもらい試行錯誤を続け作り上げました。

■全国大会への出品のきっかけと受賞した思いは?
豆腐マイスターの資格を関西に受講しに行った時、大阪でお世話になった豆腐製造者の方が「沖縄の宮古島から豆腐の勉強に来ているよ」と会場にいた皆さんに紹介してもらい、快く仲間に受け入れていただきました。その方達をはじめたくさんの豆腐関係者の方から力だめしで出品してみてはどうかと言われました。「まだまだ未熟な僕が・・・」という気持ちもあったんですが、出品者の方達の豆腐が食べられるということもあり、大きな勉強になると思い出品しました。
最初は九州大会から始まったのですが、九州・沖縄で何十社の出品があり、上位三位までが全国大会に行けるということだったんですが、僕の審査用の豆腐は輸送の際にくずれてしまっていて、会場でとても恥ずかしい思いをしていました。
味・香り・食感・見た目の四項目で審査されるんですが、案の定見た目はとても低い点数でしたが、味の方で最高点を取って三位になり予選を通過できました。関係者の皆さんからは「形をくずさずに出品したらいいところまで行けるよ」と言われたんですが、さすがに全国大会ともなるとまったく自信は無かったんですが、どうにか受賞することができました。今でも信じられないです。

■今後の抱負は?
今は小規模でやっているんですが、直売店を持って、店舗限定の商品も作って、たくさんの方に知っていただき、お店に来ていただき、「宮古島に来たらまごとうふが食べられるんだよ」と言われるぐらい有名になりたいです。豆腐は大豆によって風味が変わりますが、大豆も二百種ぐらいあるのでまだまだ追求して、もっともっと美味しい豆腐を作っていきたいです。また、豆腐マイスターの上の資格、豆腐マイスターアドバンスを取得して、宮古島で豆腐の講座を開きたいです。
オバーから受け継いだ味を守り、また新しい挑戦をしていく下地さんの作った豆腐が宮古島から全国に広がっていくのが楽しみです。濃厚おぼろ豆腐は島の駅、あたらす市で購入、春おばぁ食堂でお召し上がりいただけます。