2012年10月号掲載 市指定有形民俗文化財「魚垣(カツ)」

2012/10/01


魚垣(カツ)※「ながき、かち」とも呼ばれる

 これは、昔から伝わる追い込み漁の一種で、潮の満ち引きを利用して魚を追い込むために作られた海の中の石垣です。
 佐和田の浜の西側、下地島空港の北側滑走路埋立地の約200㍍のところで、下地島のカタバルイナウ(内海のイノー)の「魚垣(カツ)」の構造は、北側から南に放射状に石を積み、南に向かって左側は300㍍程で右側は60㍍程あります。
 放射状の頂上部が出口になっていて、石垣の高さは海底の地形にあわせて、高いところで1㍍、低いところだと50㌢程になります。
 漁の方法は、佐和田の浜の遠浅を巧く利用したもので、周囲を石で囲み、潮が満ちるときに魚が入り、潮が引くとき、出口に網を張って魚を獲る方法です。
 現在ある「魚垣」は一九五〇年頃「善平マツさん」によって整備されたと伝えられていますが、伊良部島に古くから伝わる魚垣漁が、いつ頃、誰によって始められたかは分かっていません。恐らく一七七一年の大津波以降と予想されていて、津波の際、大小様々な岩や砂利が打ち上げられたという事実がある為、それが魚垣に積まれて作られたのではないかと言われています。
 一九七九年に旧伊良部町(現宮古島市)の有形民俗文化財に指定され、近年では、水産庁の「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財100選」にも選ばれています。

記事:野崎 聡

※イノー
サンゴ礁に囲まれた浅い穏やかな海、すなわち礁地(しょうち)のことで、昔から「海の畑」とも言われ、小魚・貝・海藻などの、海の幸を与えてくれる豊な場所