2012年3月号掲載「友利のあま井(ガー)」

2012/03/01


有形民俗文化財 友利のあま井(ガー)
※ガーとは方言で井戸の意味

 宮古島の南、市街地から車を走らせる事、25分。インギャーマリンガーデンへと下る坂の手前に「友利のあま井(ガー)」と書かれた看板があります、そこから五〇〇メートル程行くと入口が見えてきます。
 城辺字砂川と字友利の境界にあって、友利元島遺跡の西側に隣接する自然洞窟の湧水で、一六六七年と一六九六年に起きた大地震による地殻変動で形成されたと言われています。
 降り口から渋滞水層露出面(水が湧き出ている所)までは、深さが約20メートル程で、自然洞窟としては規模も大きく、水量も豊富に湧き出ています。
 水道が普及するまで、水汲みは女性の日課とされ、一日の大半は水汲みに費やしたとされています。その為、石段の側壁の岩には、手で支え登ったため、摩滅してしまった所が数箇所もあります。これが、一九五五年にあま井を水源とする友利、砂川簡易水道が開設されるまで続けられたと言われているので、当時の女性の苦労を窺い知る事が出来ます。
『雍正日記』(一七二七)にあま井について「あま川、ただし洞川。掘った年は不明である」と記されているそうです。
 明和の大津波(一七七一)以前は、友利、砂川、新里の各元島(旧集落)の住民が共同で利用し、現在地へ移動した後も、人々の生活に役立っていたそうです。地域住民の水利用のあり方や歴史的変遷を知る上でも非常に貴重な文化財であるとともに、あま井からは、ミヤコノロジカなど、様々な動物の化石も発掘されているそうです。
 雨の日は足元が滑りやすくなるので、天気の良い日に訪れてみてはいかがですか?

記事:野崎 聡