2015年6月号掲載「島で繋げる生命産業」

2015/06/01

農業生産法人
亜熱帯工房宮古島 代表取締役
■名 前:根間 良光

熱帯フルーツの香りと味を追求

早くも入道雲がそびえ立つ五月の晴れた日、マンゴーの収穫を目前にしてお忙しい亜熱帯工房宮古島を訪ねました。ハウスの中でスタッフと一緒に汗を流し作業をする農園の代表根間さんが忙しい手を止め取材に応じてくれました。

■マンゴー農園を始めたきっかけは?

農林高校を卒業後、沖縄県立農業大学に入学、昭和六十三年に卒業した時、島に戻ってパパイヤかマンゴーのどちらを栽培しようかと悩んでいたとき、同じ下地地区の洲鎌さんが育てたマンゴーを食べてあまりの美味しさに感動しました。沖縄本島などいろんな所でマンゴーは食べていたんですが、今まで食べてきたマンゴーと全然違いまた。宮古島のマンゴーに将来性を感じました。

■農園経営で苦労された事は?

初めて十年ぐらいは試行錯誤の繰り返しでした。販売先、顧客を探すのにも苦労しました。生産者として味には自信があったんですが、お客様は毎年同じ味を求めています。それに応えられるよう頑張ってきました。お客様の「今年も美味しいね」の言葉が一番の励みです。後は、やっぱり台風ですね。平成十五年の台風十四号の時は平年の三割から四割程度の収穫しかなく、ハウスの修復にも苦労しました。でも、農業をやっている以上、自然との共生、バランスですから、寒い地域に比べたらたいした苦労ではないかもですね(笑)

■マンゴー栽培で大切なことは?

出来る限り自然に近い状態で生産したいという思いはあります。マンゴーは葉果比率が品質に影響すると言われいてますが、収穫後の七月下旬から十一月までにどういう葉を作るかで次の年の品質が決まると言っても過言ではないです。しっかりと光合成のできる葉先まで青々とした健康な葉をどれだけ作るかです。木は手入れ次第で驚くほど若返ります。目では見えない土の状態に気を配り、実を付けた後は休ませてあげて、湿度と温度を調整して長く育っていきたいです。農業は生命産業と言われています。命を繋ぐ産業です。安全で美味しい生産物を作っていきたいです。※葉果比とは葉の枚数に対する果実の数

■これからの展望は?

マンゴーを栽培して二十年を超え、原点に戻ろうと思っています。青果として販売出来ない果実を加工品にと考え、アイスクリームと100%ジュースを作っているんですが、今はやっぱり素材あっての加工品だと思っています。味は誤魔化せません。加工品であっても毎年の味は同じものでなければいけませんから、これからもマンゴーの品質を追求したいです。僕が学び経験したことを後継者に引き継ぎ、宮古島のマンゴーが毎年多くの人に喜んでいただければ嬉しいです。


取材中にもスタッフの皆さんは汗を流し作業をしていました。宮古島のマンゴーの美味しさは農園の方々の愛情と鋭意努力によって成るものだと思いました。今年も美味しいマンゴーを食べられることに感謝です。