2012年7月号掲載「森の中の博物館へ」

2012/07/01


■名 前:下里 典子 宮古島市総合博物館 館長
■出身地:宮古島市城辺字西里添

宮古島の歴史・文化を伝える
 空港から車で5分、熱帯植物園の近くにある「宮古島市総合博物館」。
今回は女性初の館長になられた下里典子さんにお話を伺いました。

■これまでの経歴を教えて下さい。

 「館長就任前は宮古島市役所生活福祉課や市民生活課などに勤めていて、それから宮古島市教育委員会生涯学習振興課の課長補佐として2年間、総合文化祭や社会教育係、文化財係などに携わっていました。
館長になった今は、歴史や民族、自然の専門知識が必要ということで、日々勉強に追われています。」

■博物館館長という特殊な職業ですが、どういったお仕事ですか?

 「地域の文化活動の拠点を目指すため、展示物の掌握だけでなく、職員の監督や建物の管理などハードな面も統括する役目があります。様々な博物館事業の最終判断を下す大事な仕事です。
 一番大切な事は、今まで伝えられている歴史や文化、博物館に残っている展示物・所蔵品をそのままの形で後世に伝えていくことですね。
 市民に支えられてこそ博物館はあります。地域に根ざした博物館として、これからも市民と共に内容を充実させていくよう務めてまいりたいと思います。
 女性初ということにプレッシャーは感じないのですが、周囲の皆さんの期待に応えられるかと言うプレッシャーのほうがあります。」

■4月にこちらの館長さんになられてから、心境の変化などありましたか?

 「自然や花などが大好きで、自宅の庭にはたくさんの草花や木を育てています。
 今までは、花や葉を食べるアオムシなども駆除していましたが、この博物館で宮古島の蝶や鳥など、自然科学を学んでいるうちに、この虫たちにも命があり、意味があってこの草花を食べているということに気が付き、命あるものを大事にするようになりました。また、昼休みには、施設の『緑のバルコニー』に出て、大野山林を眺めながら、鳥のさえずりを聞いて癒されています。」

■どういった方に利用してほしいですか?

 島で生まれ育った人はもちろん、島を訪れたすべての人に足を運んでいただきたいです。特に地元の若い人に見てもらいたいです。最近、若い人の地元離れが目立つので博物館に来て宮古島の歴史や文化を見学してもらい「足元に宝がある(大事な事や大切なことは、いつも身の回りにある)」ということを感じてほしいです。
 観光で宮古島に来られた方なども、いろんなところを回る前に寄っていただいて、自然・歴史・文化を体感したり、各地域の特色を見た後に宮古島を回るのも面白いかと思います。
 パーントゥのレプリカやかやぶき民家の復元模型、犂(スキ:畑を耕す農具)などの展示物や、宮古の昔の映像を見たり、鳥の鳴き声を集めたブースもあるので、全身で宮古島を感じてもらいたいです。

 企画展、特別展示、子ども博物館、博物館講座など多くの事業を企画しております。7月11日~9月2日まで企画展「宮古のマングローブ環境とそこに暮らす生き物たち」が開催されるそうなので、この機会にぜひ訪れてみてはいかがですか?