家族の歴史を紡ぐラフテーそば

家族の歴史を紡ぐラフテーそば

津嘉山 太志( つかやま たいし)さん

農家民宿 津嘉山荘
おいシーサー 店長
調理系の専門学校を卒業後、銀座の名店で修行を積む。

島民が憩える食堂を目指して

 島民なら「農家民宿 津嘉山荘」を聞いたことがあるという方は多いと思います。その津嘉山荘が今年の4月に「お食事処 おいシーサーー」をオープンしました。今回は店長津嘉山太志さんにお話を伺ってきました。

お食事処 おいシーサーについて教えて下さい。
 今年津嘉山荘は創業30周年を迎えました。長年に渡って愛されてきたこの民宿の節目の年に、新たな挑戦を決意しました。それは民宿の一部を「宮古そば」の食堂に変え、宮古島の伝統的な味を提供することです。民宿内の食事スペースをリニューアルし、長年愛され続ける「宮古そば」を中心にした食堂を今年の4月にオープンさせました。アットホームな雰囲気でおばあ家(ヤー)に帰って来たかのように感じさせる店内です。そして当店の名物メニューが大きなラフテーが載った「ラフテーそば」です。

「ラフテーそば」が誕生するまでを教えて下さい。
 元々、津嘉山荘の食事のメニューとして「ラフテー」があります。このラフテーは農林水産大臣賞を受賞した絶品のラフテーで、このラフテーを使ったそばを商品にしたいと決めていました。ただこのラフテーをどう生かそうか、多くの人が食べに行きたい!と思うような宮古そばとはどのようなものかを考えた結果、今のような器からはみ出すほど大きなラフテーを載せたそばになりました。スープにもこだわりがあり、私たちは『宮古』そばを提供していますので宮古島の素材を使用した出汁を取りたいと思っていました。宮古島が誇れる食材として伊良部島のカツオがあります。そのカツオを使用して毎日出汁を取ることで、宮古島を感じる、どこか懐かしい風味をお客様へ提供できるようにしています。麺についてもかなり考えましたが、食べた時に「宮古そば」を感じられるものを選びました。

仕事をする上で心がけている事はありますか?
 スープの味を毎日同じように作ることがとても難しく、同じ材料、同じ分量、配合で作っていても日によって微妙に味が変わってきます。『スープは生きています!』私たちは毎日ゼロからスープを作っているのでその味のブレを小さくすること、同じ味のスープを提供できるように神経を使ってスープ作りをしています。
 そして何よりも祖母の代から続いている思いや伝統の味を守ること、私に店長を任せてくれた父が築き上げてきた信頼とお客様との繋がり、その全てに感謝して、丁寧に仕事をすることを意識しています。お客さんの事を思ってお料理を提供し、お客さんが笑顔で、かつ満足して帰って頂けるような接客やお店の雰囲気作り、料金設定も含めて、一歩一歩、少しずつ前進していくことで感謝の気持ちを表したいと思っています。

今後の目標・ビジョンを教えてください。
 やっぱり味や知名度共に「宮古一」と言われるような宮古そばを作っていきたいです。また地元の方に支えられてきた津嘉山荘だと思っていますので島民の方が集い、憩いの場となれるようなお店にすること、自慢のラフテーを使ったメニューをもっと開発して、より多くの人に津嘉山荘、おいシーサーのラフテーを食べてもらいたいと思っています。

 今回津嘉山さんを取材させて頂き、地元に対する熱い思いや家族の絆を強く感じました。また大きなラフテーが載ったラフテーそばもインパクト絶大!
大満足の一杯です。ぜひ足を運んでみて下さい。

<ご予約・お問合せ>
TEL:0980ー76ー2435
10月号99ページに店舗情報掲載

2024年10月号掲載