上原 日出史(うえはら ひでふみ)さん
株式会社 魅輝舗(みきほ) 代表取締役
ものづくりは気合いだー。
皆さんは地元食材を使用したお土産メーカーの魅輝舗さんを知ってますか?年内に下地に売店をオープンすることになった代表の上原さんを取材してきました。
■上原社長と会社(魅輝舗)の紹介してください。
宮古島の豊かな自然と温かい人々に育まれ、観光土産品製造販売を20年以上にわたり手がけています。私は、生まれも育ちも沖縄県糸満市。高校卒業後、那覇空港での勤務を経て、観光土産品業界へ参入し、営業として手腕を磨きました。その後、「宮古島の観光業界を盛り上げてほしい」という創業時ご指導頂いた方の言葉を胸に、宮古島を拠点に、平成15年に個人事業として魅輝舗を創業。平成18年には法人化し、地域に根ざした経営を続けています。「ものづくりは気合いだ」という経営理念のもと、お客様に喜んでいただける高品質な商品を提供し、宮古島の魅力を全国に発信しています。
■今までの経歴を教えてください。
これまでの道のりは、まさに宮古島の観光土産品業界の発展と共にありました。これまでの営業経験を通して培ったノウハウと、持ち前の行動力で、宮古島に新たな道が開けたと考えております。創業当初は引菓子※1(OEM)商品を中心に卸業に専念していましたが、「自分で作ったお菓子でお客様に喜んでもらいたい」という長年の夢を実現させ、平成22年には念願の自社工場を市内に設立し、『紅芋タルト』と『マンゴータルト』の製造・販売を開始しました。幼い頃から料理と食に親しんできた私にとって、この工場設立はまさに悲願でした。その後も、宮古島のシンボルである『まもる君』の商標を借り受け、代表作となる『まもる君ちんすこう』を平成28年に発売。現在では3種類の主力商品を製造しています。宮古島ならではの「人と人とのつながり」を大切にし、地域の皆様からの温かい支援を受けながら、会社と共に自身の成長を続けてきました。令和5年には工場を下地川満537‐11に移転、令和6年には新たな生産ラインを増設するなど、常に進化を追求し、より良い商品をお届けするための努力を惜しみません。これまでの歩みは、情熱と宮古島への深い愛情に裏打ちされたものです。

■今後の展開を教えてください。
今後の事業展開の核となるのは、宮古島産の紅芋『ちゅら恋』です。かつて宮古島では栽培農家が減少していましたが、近年徐々に回復傾向にあります。弊社では、この『ちゅら恋』の魅力を最大限に引き出し、宮古島=紅芋『ちゅら恋』というブランドイメージを確立することを目指しています。そのために、ここ2年間で機械設備投資を積極的に行い、令和8年2月には生産ラインの自動化が完成する予定でこれにより生産能力を大幅に向上させ、高品質な『ちゅら恋』使用商品を安定的に供給できる体制を確立します。また、自社工場と同じ敷地内にある沖縄パウダーフーズとの連携により、『6次産業化』を推進しております。これにより、紅芋の栽培から製品化までを島内で完結させ、地域の農業振興にも貢献していきたいと考えております。また、年内に自社工場内に売店オープンを予定しております。ガラス越しに製造風景をご覧いただける開放的な空間で、弊社の主力商品に加え、宮古島産『ちゅら恋』を贅沢に使用した『紅芋アイス』や、ここでしか味わえない売店限定のお菓子を販売する予定です。製造の現場を間近に感じていただきながら、採れたての紅芋から生まれる新たな魅力を五感で体験できる場所を目指します。また、宮古島が誇る『ちゅら恋』の認知度を高め、弊社の「ものづくり」を通して、多くの人々と繋がり、笑顔を広げていきたいと願っています。常にお客様に愛され、選ばれ続けるものづくりを目指し挑戦していきます。

ものづくり=宮古島への思いを熱くお話しして下さる上原さんのお顔からは自社ブランドへの思いが伝わりました。ぜひ工場見学に行ってみてください。
※1 引菓子とは島の食材を島外に送り、商品化して島にもどしたもの
2025年9月号掲載