宮古島の紅芋に魅了されて

宮古島の紅芋に魅了されて

Benさん

めちゃ芋四代目中村屋 オーナー

宮古島の紅芋を広めたい

 今回は伊良部島にある紅芋専門店「めちゃ芋四代目中村屋」Benさんを取材してきました。

経歴を教えて下さい。
 東京都足立区に生まれ、埼玉県の越谷市で育ちました。
曾祖父が戦前から東京都恵比寿で魚屋を営み、父親は今も現役の魚屋で江戸っ子の三代目。私Benが四代目です。15年ほど前、スイーツイケオジを目指していた私は、さつまいもの魅力にハマりました。いろいろな産地からさつまいもを取り寄せて自宅テラスで焼き芋をし、同じ品種なのに産地によって甘さが違っていたので、どんなさつまいもでも美味しく食べられる焼き方は無いかと炭で焼いたり、溶岩石で焼いたり、枯葉で焼いたり、石で焼いたり、壷で焼いてもみました。そこで温度と寝かせ方が重要な事を知り、試行錯誤しながら10年。焼き方、温度管理、時間管理、寝かせ方を熟知し、美味しい焼き芋を焼く方法をつかみました。それがきっかけで焼き芋マニアになったと思います。

宮古島でお店を開いたきっかけ、目標を教えて下さい。
 私の知人がよく宮古島へ来ていて、宮古島は素敵だとよく話に聞いていました。そんな中、知人が半移住をしたことを知り、知人を訪ねて宮古島へ来ました。自然が豊かで宮古ブルーの海にも惹かれ、宮古島へ行く回数が増えていきました。いつかはこんな島へ移住したいなという思いが強くなり、昨年は毎月のように宮古島へ来ていました。
 宮古島の自然がどんどん好きになり、宮古島の人との繋がりもでき、楽しい島時間がどんどん増えていく中、宮古島の紅芋が【おきなわ花と食のフェスティバル】の来場者による投票と専門家の評価で出展者の中から加工食品のトップを決める【2024おきなわ島ふーどグランプリ】でグランプリを受賞した記事を拝見しました。元々、焼き芋マニアだった事もあり、その紅芋を食べてみたいと思い、記事にあった農家さんにお問い合せをしました。県外から来た人がいきなり尋ねる訳ですから、農家さんが話をしてくれるかは半信半疑でした。しかし、宮古島紅芋の事や農家さんの現状を熱心に教えてくれました。自宅まで上がらせて頂いた上に紅芋の焼き芋まで食べさせて頂き、『これが紅芋か、もっちりしていて大人の甘さだな、これは旨い』と感動しました。また、これまでの畑の土壌改良や保管方法を見直したところ、紅芋のグランプリを受賞するまで品質を向上してきている努力には感銘を受けました。それまで紅芋は甘さが無いと思っていました。実際、島のスーパーなどで焼き芋として売られているのは、紅はるかやシルクスイートが多く、県外産だったりしていたので「なぜ紅芋焼き芋があまり無いんですか?」と疑問を投げかけてみると、紅芋は甘味が少なくペーストに向いているそうで、お菓子に加工しやすく、現在、紅芋の需要で1番多いのはお菓子加工だそうです。その加工品を作っている会社などに販売しているため、焼き芋に向いている甘みのある品種はあまり生産されていないという事でした。農家さんも効率よく買い上げてくれる物を収穫したいのは当然です。現在はサトウキビ農家さんが兼業として紅芋作りにも挑戦していますが、まだまだ生産量が少なく島内でも流通が限られているので、なかなか島民の皆さんにこの美味しさをたくさんご提供することが難しいとの事でした。紅芋の安定した販売先があれば、生産量もこれまでよりも増え、紅芋の良さをもっと島民の方も知ることができ、農家さんのサポートになるのではと考え『めちゃ芋四代目中村屋』をイメージし始めました。また、日本に初めてさつまいもが入ってきたのは宮古島だと知り、益々宮古島で紅芋専門店をやりたい気持ちが高まりました。そしてそれから約1年後にいろいろな方のサポートもあり、このお店をオープンする事になりました。石垣島や沖縄県の離島、本島にも目を向けております。最終目標は、世界のさつまいも農家さんのサポーターとなり、「さつまいもが世界を救う」という計画を考えております。

めちゃ芋の焼き芋とおすすめメニューについて教えてください。
 めちゃ芋では、日本の鉱山の中で1番遠赤外線が出る貴重な鉱石を採用して焼き芋を焼いてます。まさしくパワーストーンなのです!今でこそ、壷焼き、炭焼き、いろいろな焼き方がありますがめちゃ芋では全てを試した結果、昔ながらの石焼き芋に辿り着きました。焼き芋を美味しく頂くには、遠赤外線で中からじっくり焼き上げるとでん粉が糖に変わり、一定の温度を保つ事でさらに甘みが増します。甘味を抑えた宮古島産紅芋!めちゃ芋パワーストーン焼き+アイスのせが絶妙なバランスを奏でています。オーナーのBenが惚れ込んだパワーストーン焼きをご賞味ください!また、甘みのある品種も8月頃からご提供できます。紅芋パワーストーン焼きを100g単位で販売する予定です。保存方法にもこだわり、冷凍にし、ご自宅の電子レンジで温める事で、もっちりと甘く、大人好みの味わいをご自宅でもお楽しみいただけます。宮古島産紅芋をたくさんの方に食べて頂きたいと思っておりますので、めちゃ芋紅芋専門店にお気軽にお立ち寄りください!

 今回お話をお聞きして、Benさんの焼き芋に対する情熱や宮古島に対する感謝の思いが伝わってました。皆さんも是非、Benさんの焼いた宮古島産紅芋の美味しさを味わってみてはいかがでしょうか?

めちゃ芋 四代目中村屋
TEL:080‐5532‐6907

2025年7月号掲載