韓国トレンドを、島スタイルで

韓国トレンドを、島スタイルで

兼島 来夢(かねしま らむ)さん

Rapamuオーナー

ネットじゃなく、お店で選ぶ楽しさを

 宮古島に思わず立ち寄りたくなるナチュラル可愛いお店があるのをご存じですか?トレンド感のある韓国風アイテムをセレクトしながら、島らしいあたたかさも感じられるショップを営む、兼島来夢さんを取材してきました。

お店を開いたきっかけ
 私は以前不登校やひきこもり、病気だった時期もあり、「自分のペースで働ける場所があったらいいな。」と思ったことが最初のきっかけでした。色々な経験を経て将来について悩んでいたとき、母から「セレクトショップをやってみたら?」という一言が背中を押してくれて、自分のペースで自分らしく働ける場所をつくりたいと思うようになりました。好きなものを集めて、自分の心がワクワクする空間をつくる。それが誰かの「楽しい」や「元気」のきっかけになれば嬉しいと思い、お店をオープンしました。ただ服を売る場所ではなく、私にとって新しいスタートの場所でもあります。
 お店の名前『Rapamu(ラパム)』とは、私の名前「来夢(らむ)」と、うさぎのフランス語「Lapin(ラパン)」を合わせて作りました。可愛らしい響きで、自分らしさが出ていてとても気に入っています。

韓国風セレクトショップについて教えてください。
 私自身、韓国ファッションが大好き!というわけではなく、ただ可愛いな、着てみたいなと思う服がたまたま韓国発のものが多かったんです。気づけば自然と世界観に惹かれるようになりました。韓国ファッションはどこか甘さがありつつも、シンプルなのにデザイン性があったり、少しだけ個性が光るものが多く、トレンドの取り入れ方が上手です。
 宮古島は多くの人が通販に頼りがちですが、実際に届いてみるとイメージと違ったり、サイズが合わなかったりする事も多いです。そういった経験から『実際に見て触れて、試着できる場所が宮古島にあったらいいな』と思うようになりました。そして、自分のセンスで選んだここにしかない服を置くことで、誰かにとってのお気に入りが見つかる場所になれば嬉しいなと思っています。特に学生さんや若い世代の方にも、気軽におしゃれを楽しんでもらえるように、手に取りやすい価格にしているのもこだわりのひとつです。宮古島に住む人たちも、観光で訪れる人たちも、離島だからおしゃれが楽しめないではなく、離島でもこんなに可愛いものに出会えるんだ!と感じてもらえたら嬉しいです。ただ、韓国で流行しているファッションをそのまま仕入れるのではなく、宮古島に住んでいる方々のライフスタイルや気候に合うものを意識してセレクトしています。「可愛いけど、ちゃんと着られる」そんなバランスを大切にしています。

開店までの準備期間で印象に残っていることは?
 お店を始めるにあたって、ラッキーだったと感じることの方が多かったです。お店の場所を探し始めたときも、希望していた広さや立地の店舗がすぐに見つかり、準備もスムーズに進みました。ただ、仕入れに関しては苦労しました。韓国系の人気商品は回転が早く、仕入れサイトに出たと思ったらすぐに完売してしまうことが多く、欲しい商品が手に入らないこともありました。また、無難にいくか、自分らしい個性でいくかというお店の方向性にも悩みました。初めてだからこそ、多くの人に来てほしいという思いと、自分らしさを大切にしたいという思いとの間で葛藤がありました。それでも、ひとつひとつ選んでいく過程が今のお店のカラーに繋がっていると感じています。

これからの展開について
 オープン当初は、中高生から20代くらいの若い世代をメインターゲットに考えていました。でも、実際にお店を開いてみると、小学生や年配の方など、想像以上に幅広い年代のお客様が足を運んでくださるようになりました。その中で、誰でも気軽に立ち寄れて、ちょっと気分が上がる場所にしたいという思いがますます強くなっています。服の仕入れは、1アイテムにつき2〜3点しか仕入れないので、宮古島で人と被ることが少ないのも特徴のひとつです。今後はもっとお客様との会話や反応を大切にしながら、ただのセレクトショップではなく、毎日の中にちょっとした刺激や楽しみを届けられるような、そんなお店に育てていけたらと思っています。

 自分らしく働ける場所を形にし、可愛いやときめきを大切にしている姿がとても印象的でした。服を選ぶことは、自分を表現する大切な瞬間。新しい一着が、日々の気分を変えてくれたり、少しだけ自分を後押ししてくれるかもしれません。そんな自分らしい一着を見つけにRapamuに足を運んでみませんか?
 詳しくはBBcom6月号82ページをご覧ください。

2025年6月号掲載