中村 良三(なかむら りょうぞう)さん
株式会社プラネット・フォー
宮古島ひとときさんぽ
宮古島の魅力を伝えたい
宮古島にはとてもたくさんの観光スポットがあります。また宮古島でしか味わうことのできない体験もあります。今回は宮古島をまるごと楽しめる体験型観光ツアーをしている宮古島ひとときさんぽの中村良三さんに話を伺いました。
■中村さんの経歴を教えてください。
私は大阪出身で小さい頃から自然科学が大好きで、高校時代の部活は天文部でした。大学で農学部に進み、造園・ランドスケープを専攻しました。
その頃に植物や森林生態の魅力にハマり、時間を見つけては京都北山を歩きまわり、植物の名前を覚えるような学生生活を過ごしました。大学卒業後は百貨店系列のディベロッパーに就職、不動産事業や都市再開発の事業計画を担当したのち、メーカー系のシンクタンクに転職。そこで宮古島のプロジェクトの担当になりました。当初は島の「バガス(サトウキビの搾りかす)を高度利用して非木材紙を作りたい」という要望に応えた環境事業でしたが、収支計画が成立せず断念。別の新規事業の立ち上げを目指して約4年間、東京から宮古島に通いました。紆余曲折の末、開発に成功したのが「雪塩」でした。2000年に特許を取得、ミネラル含有数世界一(14種類)としてギネスに登録され、「宮古島から世界一」という開発チームの夢を実現することができました。2000年には1年弱単身赴任で宮古島に住みましたが、その時に島の皆さんの温かさや魅力に触れ、「いつか宮古島で仕事ができたら最高だな」と思うようになりました。
その後東京に戻り、サラリーマン生活から離脱、まちづくりコンサルとして独立。主に農山漁村の活性化や自転車を活用したまちづくりの業務に携わりました。2010年頃から再び宮古島の仕事に関わることができるようになり、2015年に移住。観光業の免許を取得して体験型の観光ツアー「宮古島ひとときさんぽ」を立ち上げました。今では約15のオリジナルプログラムに加え、下地島空港の観光案内所の運営、レンタサイクル事業などを推進しています。
■おすすめのツアーを教えてください。
宮古島ひとときさんぽ一番の人気メニューは「島人とのんびり港釣り」です。大物を狙うのではなく、堤防から釣り糸を垂らす熱帯魚の五目釣りですが、これがシンプルで奥が深い!釣り初心者やお子様でも十分に楽しめ、リピーターも多いプログラムです。
「うぷきの森探検」も季節に関わらず人気のツアーです。宮古島の観光は海の情報発信が中心ですが、陸にも大きな魅力が潜んでいます。水がない厳しい自然環境ゆえの植物たちの生存競争や、生き物たちの工夫に満ちた生き様は驚きの連続です。
また、意外に観光客に知られていないのが「日戻りカツオ」。宮古島の周辺に20ほどあるパヤオ(浮き漁礁)は片道3時間程度で到着するので、夜中に出漁し、明け方に漁をして、昼に戻ることができます。伝統的カツオ一本釣りの魚は鮮度抜群でとっても美味しい!この魅力を伝えながら、カツオやマグロを一本丸ごとさばいて、刺身としゃぶしゃぶで特別なランチを楽しんでもらう「なりきり漁師~魚さばき体験」も隠れた人気です。シメはもちろん宮古ソバで!
■宮古島の魅力を教えてください。ツアーガイドとしての思いは?
一言でいうと「宮古島のファンを増やしたい」この思いでガイドする事を心がけています。宮古島の魅力は隠れたところや見えにくいところに存在しています。たとえば海も景色として見て回るだけでも十分に綺麗なのですが、海の中に入ると他の島とは全く違う魅力に気づくと思います。それと同じように、宮古の川は地表では見えないけれど地下に存在していること、「水無し島」として苦労してきたが故のおじいやおばあの辛抱強さや生活の知恵、決して人間には勝てない自然とともに生きていくため、生活の一部に浸透している神への祈りなど、島の暮らしそのものが大きな魅力だなと感じます。
■今後の目標を教えてください。
先ほど話したような宮古島の魅力を体験やガイドとの会話を通じて少しでも多く観光客に伝え、宮古島の奥深さや隠れた魅力をきっかけに宮古島のファンを増やしたいと思っています。島に何度も通うリピーターになってもらいたいという思いが強いです。台風や地震が全国に放送されると心配して連絡をくれる知り合いがいますよね、こういう全国に居る「宮古島に思いを寄せてくれている人」、「宮古島が気になって仕方がない人」を、もっともっと増やしていくような観光をこれからも進めていきたいです。
今回、中村さんのお話で宮古島へ対する思いや、宮古島の魅力を多くの人に伝えていきたいという思いがたくさん伝わってきました。他にもたくさんの体験ツアーがありますので、宮古島の自然や暮らしを楽しむ島時間体感ツアーで宮古島の魅力を思う存分、体験・発見してみてはいかがでしょうか。
宮古島ひとときさんぽ
ご予約・お問合せ
TEL:070-9073-7311
2024年3月号掲載