夢に向かって再挑戦!

夢に向かって再挑戦!

上地 野乃香(うえち ののか)さん

カノアラウレアーズ福岡
ポジション:リベロ

島ん人でも出来る!

 宮古島でも競技人口が多いバレーボール。学生の時バレーボール部だった方も多いでしょう。
 今回は宮古島出身でバレーボールのプロリーグである、Vリーグ選手として活躍し、さらに夢を追い続ける上地野乃香さんを取材してきました。

■現在の活動と今に至る経緯を教えてください。
 現在、私はカノア ラウレアーズ福岡(Vリーグ3部)というチームに所属しています。今年の4月にトライアウトを受け、その直後に声をかけられ5月中旬ごろにチームに合流しました。今はこのチームの為に日々努力している最中です。

 私は宮古島の下地出身で、小学生から高校生まで宮古島でバレーボールを続けてきました。高校を卒業して岡山の環太平洋大学に進学し、その後、群馬県の「群馬銀行グリーンウイングス」というVリーグ2部のチームに2年間所属しました。当時のチームは2部リーグの中では常に上位に名を連ねるチームで、2年連続リーグ優勝を果たす強豪チームでした。ただVリーグ1部のチームとの入れ替え戦には2年連続で負けてしまい、1部に昇格することは出来ませんでした。私の夢は1部リーグでプレーすることでしたが、熾烈なレギュラー争いという競争に疲れ、時には人間関係にも悩まされ、夢半ばで引退しました。
 引退した後は、宮古島に戻り、スポーツアカデミーで働いていました。そんな中、あるバレーの試合を見ました。それは、何度も涙をのんできた1部リーグチームと2部リーグチームの入れ替え戦の試合です。私が見た試合では、2部リーグのチームが1部リーグのチームを破り見事Vリーグ1部昇格を決めたのです。この試合を見て私のバレーボール魂に再び火がつきました。もう一度「Vリーグ1部の舞台に立つ」という夢を追いかけることにしました。
 次の戦う場所に決めたのは「カノア ラウレアーズ福岡」というVリーグ3部に位置するチームです。そのチームを選んだのは、引退する際に声をかけられていたことや監督さんとの繋がり、何よりとても若くて、今年からVリーグに昇格してきたチームで勢いと伸びしろがあると感じたからです。このチームが今の私の戦う場所です。

■選手としてのスケジュールや気をつけていることはありますか?
 リーグ戦は11月末~2月末まで行います。今はリーグ戦に向けて練習する日々です。しかし、生活の為に働く必要があります。平日の午前中にチーム練習を行い、午後は働いています。リーグ戦が始まれば、土日が試合となります。
 毎日練習と仕事という大変な日々ですが、3部チームの中には1日中仕事をしてその後に練習するチームもあるので、とても恵まれた環境の中でバレーボールをプレーすることが出来ています。生活の中で気をつけていることは、食生活はもちろん、体のケアも欠かせません。ですが、練習と仕事というハードな毎日ですので「睡眠・休養」を大切にしています。日々のコンディションに大きく関わるからです。

■今後の目標を教えてください。
 チームの目標は、昇格したばかりのV3のリーグ戦「全勝優勝」を目標に掲げています。私個人の目標としては、バレーボールを引退して2年。復帰して5ヶ月です。ボールタッチの感覚はまだ残っていますが、瞬発力などが落ちている感覚があります。ベストパフォーマンスが出来るように体を以前のように戻していくことが短期の目標です。そしていつか大きな夢である、「Vリーグ1部」という大きな舞台に立ってプレーしたいと思っています。

■宮古島の子供たちに伝えたいことはありますか?
 島の人でもVリーグで活躍する事ができるということを伝えたいです。また「継続する、夢を追い続ける」という事もとても大切だと伝えたいです。
 私も夢を追い続けたことで、いろんな経験ができました。先日もVリーグ1部のあるチームの練習に合流させて頂き、トルコ代表との親善試合に参加させてもらいました。続けることで物事が発展し、夢へと繋がっていくと感じています。

 今回、上地さんを取材させて頂き、上地さんのバレーボールへの強い思いと再度夢に挑戦する情熱、一歩踏み出す行動力にとても感銘を受けました。離島出身というハンデがあっても自分の夢を諦めずに追い続ける上地さんをこれからも応援していきたいと思います。

2023年11月号掲載