この島なら変われる!

この島なら変われる!

井上 美香さん
宮古の海をキレイにし隊 隊長

私の世界を広げてくれたビーチクリーン

毎月一回、最終火曜日にビーチクリーン活動をしている「宮古の海をキレイにし隊」をご存じですか?
今回はその隊の隊長として、またフリーアナウンサーとして頑張っている井上美香さんを取材してきました。

■宮古島に移住したきっかけは?

 福岡県糸島市という海の側で暮らしていたんですが、三人目がお腹にいるときに起きた東日本大震災をきっかけに海を挟んで三十キロ圏内にあった佐賀県の玄海原発が気になり出しました。
すごく不安を感じている私を見て元夫が「もっと南に行こうか!」と言ってくれて…奄美か宮古島で迷っていたんですが、たまたま宮古島出身のママ友がいて「美香さんなら家族が守ってくれるよ。」「子育てし易い島だよ。」と後押ししてくれて移住を決意しました。
その後友たちのツテで家を探しに訪れて、決意した翌年の三月、子供の小学校の入学に合せて移住して来ました。

■宮古島の印象は?
 
 とにかく海の美しさに言葉を失うほどでした。
後、人が優しい!
子供達を連れてスーパーに行くと、見ず知らずのおじさん、おばさんが子供達に話しかけてくれます(笑)築四十年の家をリフォームして住んでいるのですが、家の前の奥さんがリフォームや清掃を手伝ってくれたり、福岡のママ友の妹さんも子どもを見てくれたり、たくさんの人に手伝ってもらいました。
「お肉はどこが安いよー、お魚はどこがいいよー。」と右も左も分からない私に色々教えてくれました。
移住後、北海道出身の元夫と価値観や考え方にズレを感じる事が多くなって、でもこの島ならなんとかなると思ってお互い別々の道を歩むことにしました。

■「宮古の海をキレイにし隊」のきっかけは?
 
 海に泳ぎに行くと漂着物の多さに悲しくなるんですよね。
六年前に気の合う仲間で活動を始めたんですが、数人でゴミを拾ったところで何も変わらないんです。
達成感が無いというのか…それで情報をSNSで公開して一緒に活動してくれる人を募集したら全然知らない人達が参加してくれました。

参加してくれるメンバーが捨てられている大きな漁具とかを楽に運べるアイテムや瓶とか割れ物をケガ無く運べるソリのようなものを作ってくれたり、活動し易い環境が整っていきました。
今までに九十回以上開催して、約六十九tのゴミを拾ってきました。
今ではコンスタントに四十名位の方に参加していただいてます。
他の団体と共催でビーチクリーンをイベントにしてステージを設けてライブを開催したり、フードトラックに来てもらって家族で楽しめるスタイルにしました。
その時には五百人の方が集まりました。
お祭りではないけど漂着ゴミに関心がない方でも気軽に楽しめる、敷居の高くないイベントにしたかったんです。

■今後の活動は?

 コロナ禍が落ち着いたらまたイベントをしたいですね。
やっぱり島の子供たちに自然の美しさを知って欲しいし、自然に感謝する気持ちを持っていて欲しいと思います。
また今「未来に残そう宮古ブループロジェクト」というのを立ち上げています。
一般市民の方だけではなく、観光やビジネスで訪れる方達にも漂着ゴミに関心を持って欲しくて、SDGSの取組みの一環としてホテルに漂着ゴミ専用のゴミ箱を設置してもらいビーチクリーンしたゴミを捨てられる仕組みを作りました。
市の環境保全課もホテルまでゴミを回収に来てくれます。
漂着ゴミを拾いたいけど、拾ったゴミはどうしたらいいの?って考えると拾うことをためらう人もいると思うのでゴミ箱を設置することで拾う人が増えたらいいなって思ってます。
私たちも活動を始めたころは集めたゴミは自己搬入でした。
軽トラや自家用車に積んでクリーンセンターに持って行ってました。
活動を続けるうちに市の環境保全課やエコアイランド推進課の協力をいただけるようになりました。
やっぱり継続することだなって思っています。
これからも誰もが気軽にゴミを拾える環境を作っていきたいです。
Facebook Japanさんと共同でARフィルター『ポイトリ』を作って、発表会にも呼んでいただきました。
ビーチクリーン活動がこんなにも私の世界とご縁を広めてくれたことに感謝です。

 素敵な笑顔が印象的な井上さん、宮古島なら絶対に変われる!という思いを常に持って活動しているそうです。
島のため、子供たちのため出来ることから始めようと思わずにはいられませんでした。

未来に残そう 宮古ブループロジェクト
https://www.facebook.com/profile.php?id=100079193482588

ARフィルターポイトリ 海バージョン
https://www.instagram.com/ar/317650680445619

2022年11月号掲載