楽しいをモットーに

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與那覇 直也(よなは なおや)さん
伊良部島海遊びガイド シャーカン 代表

真心一杯でご案内します!

今回は伊良部島で「海遊びガイド」をしているシャーカン代表の與那覇直也さんにお話を伺ってきました。

■この仕事を始めたきっかけは?

私は、伊良部島にある漁師町、佐良浜で生まれ育ちました。
小学校の低学年からよく父の※サバニで漁の手伝いに行っていました。
ウニやサザエが沢山捕れた記憶があります。
銛付きをしたり、釣りをしたり、堤防から飛び込んだりと、子供の頃から身近にあった海は遊び場でした。
昼と夜、夜と朝が切り替わるマジックアワー。伊良部島の漁師たちは、魚が沢山捕れるこの特別な時間帯を「シャーカン」と呼びます。
この言葉がショップ名の由来です。かつて船の上で何度も聞いた言葉です。
自然と大人になったら、迷わず漁師の道に進むものだと思っていました。
しかし高校生の時、当時テレビでやっていたお笑い番組を見た事がきっかけでお笑い芸人に憧れ、高校卒業後に上京、お笑い芸人の世界に飛び込んでしまいました。
当然ながら思い描いた様には行くはずもなく、鳴かず飛ばず、箸にも棒にもかからないとはまさにこの事でした。
気付けば十三回目の冬を迎えていました…。戦力外通告がないこの世界、自分で決めなければいつまでも売れないまま、二十年、三十年続けてしまうと思い、プロダクションの社長に「辞めます、引退します」と伝えました。
その後、長くお世話になっていたアルバイト先に就職させていただく事が決まりました。
そんな中、伊良部島に里帰りをしたとき、たまたま父の船でマグロ漁に行く機会がありました。
久しぶりに船に乗ると、小さい頃に感じた思い、血が騒ぐと同時に何かを思い出したかのような感覚、何かが自分の中に入ってくる感覚。それと同時に今まで必死で続けた芸人の事、就職の事、そして故郷の事が思い出されて、わんさか涙が出てきました。
そして早朝に船上からとても綺麗な朝焼けを見たとき、「体の中の細胞が、魂が喜んでる」そういう気持ちがこみ上げてきて「これやー!!」と心からこの海を求めている、このマジックアワーの特別な時間帯「シャーカン」に気持ちが切り替わったんだなと感じました。
そして就職先に頭を下げ、伊良部島に帰る事を決意しました。
その頃はちょうど伊良部大橋が開通し、観光ブームでした。
昔から遊び慣れている海でマリンガイドを目指そう!と決めました。
伊良部島のマリン業者ボニートさんで経験を積ませてもらい、ガイドの基礎を学ばせてもらいました。
実際にガイドをしてみて、芸人時代に場数を踏んだライブの経験がこの仕事に生かせるな〜と気付けたのは大きな収穫でした。

■この仕事を通じて伝えたいことは?

まだまだマリンガイドとして未熟な面も多々ありますがこの島の素敵な場所、文化、島の人のあたたかさ、心に焼き付いて離れない夢のようなマジックアワーも、昼間の輝くような海の様子も、伊良部島でしか味わうことのできないひと時を目一杯楽しんでいただけるよう、真心一杯でご案内します!
それと島の子供たちにも伝えたいことがあります。
前に、高校生の子に一度はこの島から離れ内地に行った方がいいよ〜と話をしたら「内地は怖いから…全く知らない土地だから、内地の企業は厳しいから…」という答えが帰ってきました。
だけどこれから先、一度は島から離れて色々な事を学び、見て、触れてほしいです。
島を離れてみて、世界有数の美しさを誇るこの島の良さを再認識して欲しいなと思います。
島育ちの子たちにはチャンスを掴んでほしい。
島育ちの自分が今、小規模ながら起業して働いている、その背中を若い島の子たちに見せられたらと思います。

■今後の目標は?

まずは、今のマリンガイド事業をもっと拡大させることが当面の目標です。
それ以外にも、観光客の方に喜ばれるような事業を何か新しくできたらと思っています。
妄想は沢山あります(笑)。
また、おこがましい話ですが、当時の芸人仲間が目標を失ってどうしようもなくなったら、ここに訪ねて来てほしい。
受け入れられるぐらい、雇えるぐらいにこれからも日々努力し事業を続けていきたいです。
今後もこの仕事を通じて、生まれ故郷の伊良部島の素晴らしさをたくさんの人に伝え、どんどん盛り上げていきたいなと強く思います。

今回お話を伺ってみて、與那覇さんの芸人時代の事、伊良部島に対する熱い思い、とても感動しました。
皆さんも是非、與那覇さんと「海遊び」してみてはいかがでしょうか。

ご予約・お問い合わせ TEL:080-6488-7904(與那覇)
Instagram @Syakan_irabujima

2021年8月号掲載