人生は何を得るかではない、何を残すかである

人生は何を得るかではない、何を残すかである

根間 大輔(ねま だいすけ)さん
アパレルブランドoldM代表
雑貨系貿易会社PLAYFULNESS代表

kenichiro koyama creative works 
Youngvision realise

誰かの為にひたむきに応援する

マグカップを持ったおじぃのロゴがトレードマークのアパレルブランド『オルドエム』をご存じですか?
このブランドを購入すると、宮古島のサンゴ礁の保全活動や、部活生たちの遠征費用のサポートなど、宮古島の未来のために寄付されるそうです。
『宮古島の為に何かしたい』というみんなの思いを形にするオルドエム。
そんなブランドを立ち上げた根間大輔さんにお話を伺ってきました。

■アパレルブランドを立ち上げた経緯を教えてください。 

 実は服が好きだからアパレルブランドを立ち上げたのではなく、思いが一番伝わる手段としてアパレルを選んだんです。
大学進学で島外へ出て生活をしていたのですが、常に宮古島への思いを強く持っていました。
離島という大きなハンデの中で頑張っている子供たち。そして、島外に出て働いている若者。島外にいる時間が長いほど、島への想いは強くなります。
島の為に何かしたいけど、どう行動したら良いのか分からない。
僕自身もそうであったように、同じような思いを持っている人たちがブランドを通じて何かを始めるきっかけとなってくれたらと思いオルドエムを立ち上げました。
 実際にオルドエムを通じてSNSで知り合った人たちが集まり、クリーン活動をしたと聞いた時には涙が出るほど嬉しかったですし、オルドエムをモデルにして南大東島でも立ち上げたいなど、思いもよらない所で輪が広がってきているのだと実感する事ができました。

■現在も会社勤めをしながら自身の活動もされていると伺いましたが大変な事はないですか?

 実はその質問をよくされます(笑)
本当に大変な事はなく、両方楽しんでしているんですよ。
食べるための職業もあり、楽しむ職業もある。とても幸せな環境です。
 誰しも人生においてターニングポイントがあると思うのですが、僕にとっては大好きな祖父の死でした。
 祖父が亡くなった事で、考え方や価値観が大きく変わり、自分が死んだ時に何が残せるのだろうかと考えたとき、自分が好きな事で後世に残せるものを作りたいと思うようになりました。
 もちろん、やりたい事が分からなくなり悩んだ時期もあります。
ですが、自ら動いて思いを発信していく事で、賛同してくれる人や助けてくれる多くの人に出会う事が出来ました。
目標が変わろうが、環境が変わろうが、成し遂げようとする思いさえ変わらなければ、いずれ必ず成功する。
両立しながらでもここまで出来るんだという所を見せる事で新しいモデルとなり、一つの目標として見て貰えるようになりたいですね。

■今後の活動について教えて下さい。

 家庭を持ち、父親になる事でさらに何か継続して後世に残せるものを作りたいという思いが強くなりました。
 その思いを発信していくと宮古島にも同じように思っている方々がいて、今回宮古島で通信制高校の資格が取れる『島の高等学院』を今年4月に開講する事となりました。
僕が社会に出て思った事なのですが、学校では前ならえ教育で人と同じようにしなさい。と教えられてきたのに、いざ社会に出ると自分で考えて行動しなさい。と言われる。そんなギャップに違和感を感じていました。
 この島の高等学院はそういった思いを形にして、本当に自分が好きな事を見つけ、仕事に出来るようなカリキュラムも組んでいく予定です。
 その他にも若いクリエイターが沖縄の市場で活躍できる場所を創りたいと『kenichi koyama creative works Young vision realise』という、企業が必要とするクリエイティブスキルを持つ若者ををマッチングさせ、Web、動画、3D、ドローン、アニメーションなどが月額で使えるサービスも行っています。
双方にとってメリットの高いサービスとなっています。
 また廃ホテルをリノベーションしたYANBARU HOSTELという、私が大好きなホステルがあります。
そこは那覇から車で2時間以上の場所にあるにも関わらず、熱気のある若者が集まる場所。そんな場所を地元宮古島に創りたいです。

■これから何か始めようとする人たちへメッセージをお願いします。

本当にシンプルに考える事だと思います
。どんな小さな事でも何かひとつ出来るようになると成し遂げる自信が付きますし、あとはだだやりたい事と自分の隙間を埋めていくだけ。失敗しても成功するまで続ける事だと思います。色んな人に出会い、経験をすることで自分のノーマルや環境も変わっていく。
宮古島にも自分をさらに高め夢を叶えられる、そういった環境を作っていきたいと思います。
 人生において得る事ばかりではなく与える事。
一人ひとりが残していきたいものを考えると更に助け合いの輪が広がる世界になるのではと話してくださいました。
人間関係が希薄になっている今だからこそ、立ち止まって少し考えてみてはいかがでしょうか。

問合せ先:090‐1940‐8474(根間)

2021年1月号掲載